みんなで考えよう


 先日、ある高齢者施設に入居している叔母のところへ面会に訪れました。叔母は寝たきりで、声をかけても反応はなく、言葉を発することもありません。

 玄関を入るとすぐに叔母の居室の入り口が見えます。ちょうど排泄介助の時間だったのでしょう。排泄用具を持った職印の方が入室しようとしていました。その時でした。職員さんは、入り口のドアの前に立つと同時に扉を開け、入室していきました。ノックもせず、声もかけずに入室していく姿を見てしまいました。

 介助を終えるまで廊下で待っていましたが、その間も居室からは一切声は聞こえてきませんでした。居室から出てきた職員さんが私達に気が付くと、軽く会釈をして去って行きました。その様子からも職員さんに悪気がないことは十分に理解できます。ですが、施設であっても、叔母の居室は「叔母の家」ではないのでしょうか。帰り際、叔母の表情が少し寂しげに見えた気がしました。


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